令和6年12月14日(土)快晴の中、秦野保健福祉センターにて秦野市PTA連絡協議会主催、秦野市教育委員会共催による第13回秦野市PTA大会が開催されました。
開会式での挨拶で、秦野市教育委員会の佐藤直樹教育長は「PTAの在り方が変化していく中でもPTAというものは子どもや学校の応援団であり、PTAの応援に力を入れていきたい」と、熱意を表明されました。続いて神奈川県PTA協議会小林真希会長からもご挨拶を頂き、次に大根広畑地区のPTA改革についての実践発表がありました。
【実践発表・大根広畑地区のPTA改革について】
■秦野市初の3校合同コミュニティ・スクールによるPTA改革

大根小、広畑小、大根中3校合同によるPTA改革が発表されました。近年の子どもたちの数の減少や共働き世帯の増加などで現状が変化する中、様々な課題が浮かび上がりかつてのようなPTA活動を維持することは難しくなっております。
そこで、別の新たな道を模索した結果、コミュニティ・スクールによる「保護者会」の運営という道に辿り着いたそうです。
これは今までのPTAを否定するものではなく、子どもたちや学校を支援し続けるため地域の中で学校を運営していく新しい手段であるというものでした。
[コミュニティ・スクールとは]
・学校の運営や支援について協議する「学校運営協議会」を設置した学校の仕組み
保護者ー学校ー地域による協働活動が期待される
PTCA for kids … C=Community
子供たちの未来を創る仲間として自ら考え行動する力を子どもたちへ
大根地区ではPTA以外に「子どもを育む会」があり、大根中学校区の多くの団体が参加しているそうです。いずれも子どもの育成を支援する団体であり、CS(コミュニティ・スクール)同様構造が似ている3つの組織を合わせスリムにコンパクトにしていくことで、会議への出席等も省略できるということでした。
改革の内容としてはまずPTAに替わり「保護者会」の設置。保護者会では委員会や当番は設けず1名以上の代表者が「CS学校運営協議会」「子どもを育む会」へ出席。PTA会費と同様の保護者会費を徴収するというものです。保護者からは概ね賛成であったということでした。ただし、学校への保護者の協力は不可欠である事から、委員が担っていた一部の活動をボランティア制へと見直したそうです。
「できるときに、できる人が」
というモットーが印象に残りました。
誰もが気持ちの良い関わりになるべく、子どもたちや保護者、学校への支援を続けていく大根、広畑地区の改革は大変興味深く参考になるものでした。
【講演会・幸せを呼ぶ魔法の声かけプラスの言葉】
元逗子市社会教育委員でもあり、選択理論心理士、マザーズコーチ養成講座講師、モンテッソーリ教師など多岐に渡り活躍されている講師の大本一枝氏よりお話がありました。
良好な親子関係を築くためには、「まず自分自身の幸せを満たすことが大事。自分がどんな時に幸せを感じるのかを知っておくこと、幸せを満たすことで周りの人にも優しくなれること、それによって良好な親子関係に繋がる」というお話をされておりました。
「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」
アメリカの精神科医ウイリアム グラッサー博士の言葉を紹介し、前向きな親子関係の構築について沢山のヒントを頂きました。

最後はワークシートを用いて幸せを感じる定義の自己診断をしました。WEB診断もできるとのことでしたので、ご興味のある方は下記より試してみるのもいいかもしれません。
【外部リンク】
【秦野市親子川柳大会表彰式】
平成22年から始まり今回で15回目となる秦野市親子川柳大会の表彰式が行われました。
PTA大会の中で表彰式を行うのは初めてという事で、多くの出席者の見守る中受賞した川柳の句が親子の掛け合いのように読まれ会場は和やかな雰囲気となりました。
秦野市親子川柳大会実行委員会の志水義夫委員長いわく、川柳というものは元々からかうためにあるもので、世相や社会に対して少し風刺をきかせたものであるのがいい、素直すぎてもいけない、ひねりや驚きが大事と。なるほどと思わされました。
今年は初めてお題を設けてみたところ秀逸な内容の句が沢山応募され、どの句も納得の面白さがあったそうです。優劣を競うわけではなく出来栄えの良い句を集めて賞を振り分けたとのことでした。

入賞した皆さんにご感想を頂きました。
[親子川柳大賞](広畑小三年 鈴木 華菜さん 父 尚巳さん)
(子)好きな子と 行けて楽しい 夏まつり
(親)懐かしい 祭りで出会って 今や妻
2023年に佳作で入賞経験のある鈴木さんは今年川柳大賞を受賞されました。お父様の尚巳さんは「非常に嬉しく思っている。また通勤時間に親子川柳を沢山考えて来年も入賞を狙いたい」との思いを語られました。娘さんの華菜さんはたばこ祭りに初めて仲の良いお友達と2人でまわれたことが嬉しくてそのことを句にしたそうです。
[ハートフル大賞](堀川小六年 飯田 成美さん 祖母 石黒 博子さん)
(子)たばこ音頭 祖母が手ほどき ぼんおどり
(親)葉たばこの 昔がたりし 孫と舞ふ
祖母である博子さん曰く、これからの世代を担っていく孫に対し、郷土の暮らしの一端を大事にしてほしいと素直な気持ちを表現したとのことです。成美さんはお祖母様との良い思い出ができたと喜んでおられました。
[ベストファミリー大賞](堀川小六年 石野 栞花さん 父 頼久さん)
(親)おい娘!! 既読スルーは キズつくぞ…
(子)れんらくが ひんぱんすぎて うざすぎる
お父さんが車の運転中に娘さんに聞かれ答えた句で深く考えていなかったとのこと。娘さんはお父さんの句に合わせて作ったとのことでした。ふとした瞬間にふっと出てくるものこそが面白いという川柳ならではの状況ですね。受賞はなかなかあることではないので素直に嬉しかったと笑顔でご感想を頂きました。
「日常をどのように楽しく言葉にしていくか、生活の中でちょっと面白そうなことがあったらそれを言葉にして面白い世界を作り上げていく、それが少しの安らぎになればいいなと思っている」実行委員長は最後にこのような言葉で表彰式を締めくくられました。
《編集後記》
今回の大会は実践発表・講演会・川柳大会表彰式と大変盛りだくさんな内容でした。
とりわけPTAの今後の在り方については多くの学校が抱える問題でもあり、先駆者である大根・広畑地区の改革は素晴らしいと感じました。ぜひとも良い方向に繋がるといいと思います。
講演会、川柳大会に感じたのは発想の転換が大事だという事です。日常をいかに前向きに楽しく変えていくか。そのヒントに繋がる事を教えて頂きました。
とても実があり考えさせられることの多かったPTA大会でした。また来年は新たなる進歩を遂げ変化をしていくPTAの発表がされることを願っております。
《情報委員会B班 本町中・鶴巻小・上小》
《情報委員会G班 東中・大根中・南が丘小・広畑小》